届かない場所 高松明日香展

■開催場所:三鷹市美術ギャラリー

■開催期間:2017/08/11~2017/10/22

■開催時間:10:00〜20:00(入館は19:30まで)

■休館日:月曜日(9/18、10/9は開館)、9/19(火)、10/10(火)

■引用元:http://mitaka-sportsandculture.or.jp/gallery/event/170811/

画家高松明日香(1984-)は、描かれていない、画面の外に広がる世界をこそ描きたいと思ったのかもしれません。しかしそのトリミングを多用した画面は、結果的にそれ以上のことを見るものに予感させます。
 私たちは常に宙吊りの状態にあります。出発点も終着点も不明のまま、日々を過ごします。私たちが宙吊りであるかぎり、作品も宙吊りで、決して落着するものではないのです。高松の作品の宙吊り感は、単純に一枚一枚の構図によるものではありません。瞬間の宙吊りが永遠の今として、どこまでも、どこにでも接続してゆくことをやめないのです。そしてその接続が、私たちの宙吊りをいっそうあきらかにします。
 おそらく高松には、その初期からずっと、作品を完成させるという意識が薄いのではないでしょうか。もしかしたらまったくないのかもしれません。カンヴァスの外にあるはずのものを描くために、画面は永遠に完結しない。途上のまま継続してゆくようです。そのものを描かない、という世界認識は、あきらめであると同時にひとつの希望なのです。届かぬ場所を届かぬ場所として、到達しようとするのではなく、ほら、と提示するしぐさがあります。私たちは、そこに、呼び声を聞きます。
 この日常は呼び声に満ちています。それを聞くことの困難はどこにあるのでしょうか。届かない場所とは、それはまぎれもなく、この自己です。そこから聞こえるかすかな呼び声を、私たち自身に現前させることが高松の営為と言ってよいと思います。言えばきわめて宗教的なおこないです。宙吊りの私たちは、そのとき、宙吊りになった私たち自身に向き合うことになるのです。
 高松の作品の前に立つと、自ずとなにかを問われているような気持ちになります。それは、届かない場所から聞こえてくるかすかな呼び声です。それに応えずとも、ただ耳を澄ますところに、きっと新たな出会いがあります。どうぞ、ごゆっくりお楽しみください

○三鷹市美術ギャラリー

所在地 〒181-0013 東京都三鷹市下連雀3-35-1 CORAL5階
電話 0422-79-0033
交通 JR三鷹駅(南口)駅前すぐ
URL http://mitaka-sportsandculture.or.jp/gallery/